「sound」|「音」と「健全な」
英語を勉強していると綴りも発音も同じだが、意味が全く異なる単語に出くわすことがある。その一つが sound。
まず「音」の意味の sound を習うことが多い。
次に「健全な」の意味の sound を習う。
この二つの sound、今の英語では綴りも発音も同じだが、実は語源が異なる。辞書でもこの語は異なる語として見出し語を分けてある。
「音」の sound |語源はラテン語で「音」
「音」の意味の sound の語源はラテン語の sonus、意味はそのまま「音」。16世紀に語末の -d がつき、現代英語では sound の形になった。
オーディオが趣味の人は、誰かにこう言ってもらうとうれしいかもしれない。
「あなたのステレオはいい音がするね」
Your stereo has a nice sound.
豪雨で目が覚めることもある。
「昨日は夜中に激しい雨の音で目が覚めてしまいました」
Yesterday the sound of hard rain woke me up in the middle of the night.
hard rain 「激しい雨」、wake … up 「~の目を覚まさせる」
「健全な」の sound |語源は古い英語で「健康な」
「健全な」の意味の sound の語源は古い英語で gesund、意味は「健康な」。英語の歴史の中で ge- が落ち、綴りと音が少し変化し、現代の sound になった。この gesund は英語とドイツ語が同じ語源。今のドイツ語の「健康な」は gesund がそのままの形で残っている。
心身の理想は、次のようなもの。
「その男性は心身ともに全く健全である」
The man is perfectly sound in mind and body.
perfectly 「全く」
オリンピックに関するこんなことわざがある。
「健全な身体に健全な精神(が宿らんことを)」(ことわざ)
A sound mind in a sound body.
このことわざは、日本語では「~が宿らんことを」を省略していることがあるが、正確ではない。
ローマの詩人ユウェナリス(Juvenalis) の風刺詩集にあり、その詩句の文脈の中では「人は、神に対して『健全なる身体に宿った健全なる精神』が与えられるよう祈るべきだ」の意である。