「once」は「一度」だけではない|「かつて」の意味にも注意
「once」には大事な意味がまず2つある。
一つは「一度」
もう一つは「かつて」
「once」は、一見易しそうで、間違いが多い語の一つである。
「once」が「一度」の意味の場合
once を辞書で引いてみると、「once が通例文末で、『一度、一回 (one time)』 の意味になる」という説明がなされている。
以前訪れた場所について、
I have visited New York once.
「私は一度ニューヨークを訪れたことがある」
このような場合、once は強勢を置く(強く発音する)。
I have been to Hong Kong once.
「私は一度香港にいったことがある」
のように、have been to …も使える。
こどもをしかるときに使う表現では、
If I’ve told you once, I’ve told you a thousand times.
「何度言ったらわかるの」(=私が一度言ったら、千回言ったことになる)
という言い方がある。
「once」が「かつて」の意味の場合
once を辞書で引いてみると、「once が通例動詞の前、あるいは文頭に置かれると、『かつて』の意味になる」いう説明がなされている。またこの意味では「主に肯定文で過去形の動詞とともに用いる」とも説明がある。
次のような間違いにご注意!
Once there was a beautiful lady named Ono-no-Komachi.
× 「一度、小野小町という美しい女性がいました」 ではなく、
〇 「かつて、小野小町という美しい女性がいました」という意味。
昔住んでいたところの話をするときは、
I once lived in Osaka.
「前に(=かつて)大阪に住んでいたことがあります」
のように言える。
暮らし向きが悪くなったようなとき、
Taro is not as rich as he once was.
「タローはかつてのようなお金持ちではありません」
などと言われる方もいるかもしれない。
「once」には「一つ間をおいた関係の」という意味もある|「またいとこ」は英語でいうと?
「once」には「一つ間をおいた関係の」という、意外な意味もある。
a first cousin once removed
「いとこの子」
という意味もある。
普段あまり見ることがない用法だが、家族や親類の関係がややっこしい話などを読んだり、ドラマで見たりするときは、たまにこの表現に出くわすこともある。