「方法」|「way」「method」「manner」「means」の使い分け

「方法」|「way」「method」「manner」「means」の使い分け

日本語の「方法」は英語では way, method, manner, means などの語を使い分ける。

manner はカタカナ「マナー」で日本語に入っている。

それぞれの語の使い分けを覚えよう。

 

「方法」|「way」は方法、手段を表す一般的な語

「way」は何らかの目的を達成するための方法や手段を表す最も一般的な語。

way の元々の意味は「道路」だった。この意味から「方向、方角」を表し、さらに「やり方、方法」の意味も表すようになった。

 

環境についての議論でしばしば聞かれる言い方は、

What is the best way for us to protect the environment?

「我々が環境を守るための最も良い方法は何だろうか」

※ protect the environment 「環境を守る、保護する」

 

英語をどう学ぶのか、様々な議論があるが、自分なりの方法を見つけるのがよいとのこと。

There are various ways in which we learn a foreign language.

「外国語を習得するには様々な方法がある」

 

外国語の習得に「特効薬はない」と、多くの外国語の達人は言っているそうで、

Steady application is the best way to learn a language.

「語学は地道な勉強が一番だ」

※ この文の application は「勤勉」の意味。「適用、応用、(コンピュータ、スマホの)アプリケーション、アプリ」ではない。

「勉強家」は a man of close application という。

 

「方法」|「method」は組織的、計画的な方法

「method」は組織的、計画的な方法を表す語。しばしば論理立てされた科学的な分析手法や計算方法に言及する際に好まれる語である。

method はギリシャ語 methodos (後からついて行くこと、(知識を)追跡) から英語に入った語。

met-「~の後」+ -hod「道」=「道の後を追う」→「道筋(を追う)」から「方法」の意味となった。

 

教育分野では多くの議論がなされており、こんな言い方がよく聞かれる。

We can’t apply traditional teaching methods to today’s young students.

「我々は昔ながらの教育方法を今の若い学生たちに当てはめることはできない」

※ apply 「当てはめる、適用する」

※ traditional 「伝統的な、昔ながらの」

 

一方では、こんな意見もある。

Many of the methods that have been in use over the years follow the principles of science.

「昔からのやり方は結構理にかなっていることが多いのだ」

※ follow the principles of science 「理にかなっている」

 

「方法」|「manner」は人の様態などを表す

「manner」は人の振る舞い方など、様態についてその様子を述べるようなときに使われる語。

 

組織のリーダーに持ってほしい態度は次のようなもの。

The president of the company is confronting a difficult problem in a valiant manner.

「その会社の社長は困難な問題に雄々しく立ち向かっている」

※ confront 「~にひるまず立ち向かう」

※ valiant 「雄々しい」

 

目立ちたがり屋さんにはこんな人がいる。

Her manner of doing things is overly dramatic.

「彼女のやり方は芝居がかっている」

 

人を引きつける人はこんなタイプか?

Many people are attracted to his simple manner.

「多くの人が彼の飾らない態度に引きつけられている」

※ simple manner 「飾らない態度」

 

「方法」|「means」は媒介的手段や方法

「means」は何か本来の目的を達成するための媒介的手段や方法を表す語。

元々の means の意味は「人間と行動・作業などの中間にあるもの」。

 

「方法、手段」を日本語では「足」で表すこともある。

A large number of commuters were left with no means of getting home because of a subway train accident the other day.

「先日、地下鉄の事故で大勢の通勤客が帰宅の足を奪われた」

 

人の命を救う医師たちの行動。

The group of doctors are trying every possible means to save him.

「医師団は彼を救うため、ありとあらゆる手段を試みている」

関連記事

  1. 「exceed」は「外へ行く」→「超える、越える、まさる」の意味になる

  2. 「進歩」|「advance」「progress」の違いと使い方

  3. 「瞬間」|「moment」「minute」「instant」「second」の違いと使い方

  4. 「見る」|「observe」「view」の違いと使い方

  5. 「carry」は「運ぶ」だけではない|「(水など)を通す、(声が)届く、伝わる」もある

  6. 「技術」|「technique」「art」「skill」「craft」の違いと使い方

  7. 「impose」は「~の上に置く」→「課す、押しつける、(だまして)つかませる、つけこむ」

  8. 「困らせる」|「disturb」「interrupt」の違いと使い方

  9. 「答え」「答える」|「answer」「response」「reply」の違いと使い方