「心」|「heart」「mind」「spirit」「soul」の使い分け

「心」|「heart」「mind」「spirit」「soul」の使い分け

日本語の「心」は漢字の成り立ちでいうと心臓の象形(形をまねて作った文字)で、ひらかなで「こころ」の意味を表す。

日本語の「心」は英語ではいくつかの語で使い分ける。

 

「心」|「heart」は喜怒哀楽を抱く場所

「heart」は喜怒哀楽などの強い感情を抱く場所としての「心」。身振りで表すときはしばしば心臓の位置を刺す。

 

地域によってはそろそろ秋の気配が感じられるが、こんなことわざがある。主語は男性、女性の両方がある。

Man’s heart is as capricious as autumn weather.

「男心と秋の空」

※ capricious「気まぐれな、移り気の」

 

Woman’s heart is as capricious as autumn weather.

「女心と秋の空」

 

こんな男性もいるようだ。

His language may be coarse, but he is gentle at heart.

「彼は言葉は荒っぽいが、心根はやさしい」

※ coarse「(言葉などが)下品な、みだらな」

 

こんな話もありそう。

We were surprised that he was successful in winning her heart.

「彼が彼女のハートを射止めたとは、我々の驚きだった」

 

「心」|「mind」は思考、理性、精神の場

「mind」は思考、理性、精神の存在場所としての「心」をいう。身振りで表すときはしばしば頭をさす。

 

病気の父や母をお持ちの方はこんな気持ちかもしれない。

His sick mother occupies his mind all the time.

「明けても暮れても病気の母のことが彼の頭から離れない」

※ occupy「~を占める」

 

悩みがある人はこんな状態かもしれない。

The problem is always on my mind.

「その問題が私の頭から離れない」

 

このようなカップルもいる。

Her husband thinks that married people should be able to read each other’s minds.

「彼女の夫は、夫婦は以心伝心だと信じている」

※ should be able to read each other’s minds 「互いの心を読めるべき」

 

「心」|「spirit」は肉体に対する「こころ」

「spirit」は肉体に対する心、気性、精神を表す語。気持ちの浮き沈みや死後に肉体を離れた魂・霊魂なども spirit で表す。

 

スポーツの試合中にありそうなこと。

Having scored a goal moments after the first half began, the supporters were in high spirits.

「前半開始後早々の1ゴールで、サポーターの意気は大いに上がった」

 

ラグビーのファンはこんなことを言うのでしょうか。

We need some beer to raise our spirits.

「ビールを飲まないとどうも意気が上がらない」

 

奥様方の中にはこんな方もいる。

My wife went out shopping in high spirits as they were having a sale yesterday.

「昨日、バーゲンがあったので私の妻は勇んで買い物に出かけて行った」

 

「心」|「soul」は心の中、魂を表す

「soul」は肉体、理知に対して本当の気持ちや感情が宿る心の中を表す語。また生きている間も死後も持っていると考えられている魂や霊魂も soul で表す。

 

滝行を経験した方の言葉です。

I got my body and soul completely purified by sitting under the waterfall and getting hit by the falling water.

「滝に打たれ、身も心もすっかり清められました」

※ get purified「清められる」

 

都会に住む人は、時には人の住まないところへ行ってみることも必要か?

Being surrounded by nature like this refreshes the soul.

「このように大自然の中に身を委ねていると心が洗われます」

※ being surrounded by nature「自然に囲まれている」→「大自然に身を委ねる」

 

本が好きだという人にはこんな理由もありそう。

I feel that reading is like traveling for the soul.

「私が思うに、読書とは心の旅である」

関連記事

  1. 「船」|「ship」「boat」「vessel」の違いと使い方

  2. 「1人」|「alone」「lonely」「solitary」の違いと使い方

  3. 「煮る」|「boil」「simmer」「stew」の違いと使い分け

  4. 「死ぬ」|「pass away」「depart」「perish」「expire」「kick the bucket」の違いと使い方

  5. 「消防用のホース」は「horse と hose」どちら?

  6. 「食べ物」|「food」「meal」「diet」「dish」の違いと使い方

  7. 「窮地」|「quandary」「scrape」の違いと使い方

  8. 「distinguish」は「突きさして分離・分割する」⇒「見分ける、区別する、特色づける」

  9. 「勇敢な」|「brave」「courageous」「bold」「fearless」の違いと使い方