「答え」「答える」|「answer」「response」「reply」の違いと使い方
コミュニケーションの力をつけるため学校教育では「読む」「書く」「聞く」「話す」に加えて「やりとり」の技能を身につけることになった。
一番基本的な「やりとり」は「質問」に「答える」ことでしょう。
「答え」、「答える」を英語ではどのように使い分けるのでしょうか。
「答え」「答える」|「answer」は最も一般的な語
「answer」は「答え、答える」という意味の最も一般的な語。
「answer」は、質問、手紙、人などへの返事のことを表す。
「answer」は、試験の解答や正答のことを表す。
「answer」は、電話やノックへの応答に用いる。この場合「電話に出る」などと日本語ではいう。
こういうお店はいいですね。
The waitress gave an amiable answer to the customer’s questions.
「そのウェートレスは客の質問に愛想よく答えました」
※ an amiable answer「愛想のよい答え」 customer「客、顧客」
試験の後のやりとり。
Let’s check if our answers are correct.
「答えを合わせてみましょう」
※ if …「~かどうか」 correct「正しい」
秘書の電話対応の一例。
I’m sorry, but the president is in a meeting and cannot answer the phone right now.
「申し訳ございませんが、社長はただ今会議中で電話に出ることができません」
留守の時。
I knocked at the door, but there was no answer.
「ドアをノックしたが答えがありませんでした」
※ knock at the door は knock on the door も可
「答え」「答える」|「response」はややかたい語
「response」はややかたい表現。
「response」は、質問、要請、提案に対する返事を表すが、正答の意味はない。
「response」が好まれるのは、迅速な応答を暗示する場合や、実務文書など。
やりとりではこんな答えもよくある。
I can’t make any response to a hypothetical question.
「仮定の話にはお答えできません」
※ hypothetical「仮定の」
こんなことはないと信じましょう。
The police did not take any steps in response to the victim’s complaint.
「警察は被害者の訴えに何の手段も講じなかった」
※ in response to … 「~にこたえて、~に応じて、~を汲んで」
いろいろな場面で言われています。
A prompt response by the city government is strongly expected.
「市の速やかな対応が強く望まれます」
※ prompt「速やかな」
「答え」「答える」|「reply」は主に書き言葉
「reply」は主に書き言葉で使う。日常会話では answer を使うのが普通である。
「reply」は、手紙などへの返事や質問、要請、招待、広告などへの応答を表す語。そのやりとりに焦点を当てる場合に、この response が好まれて使われる。
正式な申し出に、
I’ll reply within a day or two.
「一両日中にお返事いたします」
あらたまった質問にも、
I will reply after talking it over with my parents.
「両親と相談の上お返事いたします」
文書ではこのような書き方がある。話言葉ではないでしょう。
Your prompt reply regarding this matter would be appreciated.
「その件につきましては可及的すみやかにご回答をお願いします」